油面遺跡は、東武東上線武蔵嵐山駅の北約3kmの嵐山花見台工業団地に隣接した丘陵上に所在します。この遺跡は標高約96mの丘陵の尾根上に広がる、縄文時代から中世の遺跡です。
【令和元年9月更新】 ————————————————————————————————————
調査は9月で終了する予定です。検出された主な遺構は、縄文時代の住居跡と土壙、平安時代の住居跡と炭焼窯跡です。
南尾根に位置する縄文時代の住居跡は、風化によって竪穴の掘り込みが失われていました。赤色の線で囲んだ部分が炉跡です。2基見つかっていることから、2軒の住居跡が重複しているものと思われます。周囲のピットの中には、住居跡の柱穴が含まれているものと考えられます。
住居跡は尾根の頂部に位置しています。住居跡の西側の斜面地には、縄文土器の破片を多く含んだ遺物包含層が形成されていました。住居跡に残されていた土器が、遺構の風化とともに斜面上に流れ出したものと考えられます。
南尾根だけでなく、西尾根からも炭焼窯跡が発見されました。南尾根で発見されたものと形状がよく似ていることから、同じ平安時代のものと考えられます。
【令和元年7月更新】 ————————————————————————————————————
平安時代の竪穴住居跡から、たくさんの炭化材や焼土が出土しました。完形の須恵器(すえき)坏(つき)のほか、板を削る鉄斧(てっぷ)(手斧(ちょうな))、鉄製のナイフ(刀子(とうす))、糸を紡ぐときに使用する紡錘車(ぼうすいしゃ)(2つ)などが見つかりました。火災のため、家財(かざい)を持ち出す暇がなかったのでしょうか。
ドローンを使って、木炭を焼いた炭焼窯跡(すみやきかまあと)を空中から撮影しました。 右下にはドローンの影が写っています。
【令和元年5月更新】 ————————————————————————————————————
調査は4月から開始しました。現在、縄文土器や須恵器などが発見されています。
木の根や礫を取り除きながら、遺構の分布状況を確認しています。