八條遺跡は、埼玉県南東部の八潮市にあります。 遺跡は、大宮台地の東側に広がる中川低地に位置し、八潮市内では最初の本格的な発掘調査になります。 調査は、中川の堤防工事に伴って、昨年度から継続して行なわれています。
遺跡は、中川右岸の自然堤防上に営まれた平安時代から中世にかけての集落跡です。自然堤防は、標高約3mで中川に沿って 南北に細長く、東側は川に向かって緩く傾斜し、砂が厚く堆積していました。
これまでに、平安時代と中世の遺構が発見されています。平安時代の遺構は竪穴住居跡で、カマドの近くから坏 (つき/椀形の小型土器)が出土しました。中世では、方形の土壙(どこう) から小型の「刀」や「古銭」が見つかり、お墓の跡と考えられます。
※6月2日(土)に遺跡見学会を開催しました。
発掘調査の様子(東から)
墓と考えられる第18号土壙(中世)
土壙から長さ約20cmの小刀が出土
北側にカマドをもつ第1号住居跡(平安時代)