大木戸遺跡第13地点は、JR川越線西大宮(にしおおみや)駅の北西約500mのところに位置しています。 今回の調査区は、半島状に突き出た標高16m前後の台地上にあり、遺跡の北西端にあたります。
縄文時代後期前葉から中葉にかけての集落(約4000~3500年前)と弥生時代後期の方形周溝墓群(約1700年前)、 および近世の遺構を調査しています。
縄文時代の集落は、竪穴住居跡15軒が確認されました。住居跡の形は円形や楕円形で、壁に沿ってたくさんの柱穴が並んでいます。 また、土器や石器などの生活用具のほか、「マツリ」に用いられたと考えられる異形注口土器(いけいちゅうこうどき) や土偶(どぐう)なども出土しています。
弥生時代の方形周溝墓は、4基が台地の縁に並んで見つかりました。方形周溝墓のまわりの溝(周溝)からは壺・ 高坏(たかつき)・椀といった弥生土器が20個体以上出土しています。また、2基の方形周溝墓では、中央部分に 掘り込まれた主体部(埋葬施設)が確認され、うち1基からは葬られた人の装身具と思われる鉄釧(てつくしろ)1点、 ガラス玉31点が発見されました。
※平成21年11月7日(土)に遺跡見学会を開催しました。
台地の縁に並ぶ4基の方形周溝墓
第3号(いちばん手前の)方形周溝墓
周溝部から十数個体の土器が出土
中央の掘り込みは埋葬施設の跡
縄文時代後期の住居跡群
住居跡から出土した縄文土器
注口土器(左側に倒れて出土)
異形注口土器(左側が注口部)
筒形土偶(顔の部分)