【平成27年10月更新しました】 平成26年度の調査はこちら
稲荷台遺跡は、JR高崎線上尾駅から南西に約7㎞、荒川に臨む大宮台地の西端に立地しています。調査は荒川の堤防強化工事に伴って、平成26年度から引き続き行っています。遺跡の北側には、縄文時代早期末(約7,500年前)の平方貝塚、南側には古墳時代前期(約1,700年前)の薬師耕地前遺跡があります。
平成26年度の調査では、旧石器時代の遺物集中区や縄文時代早期中頃(約8,000年前)の貝塚、古墳時代前期、平安時代の住居跡などが発見されました。現在は、谷地に形成された遺物包含層の調査を行っています。
谷地には、縄文時代と古墳時代の土器や石器を含んだ土層(包含層)が厚く堆積しています。
包含層から出土した縄文土器です。深鉢と呼ばれる大きな土器が、割れた状態で見つかりました。
【以下、第6次調査/平成27年7月更新】 -----------------------------
南側の谷に形成された遺物包含層から、埼玉県内では初めてとなる縄文時代晩期最終末の土偶が出土しました。
写真手前、地面の黒くなっているところが遺跡の南側に広がる谷の跡です。
土偶は、谷の中央部近くから仰向けの状態で発見されましたが、埋納した穴などは見つかりませんでした。
胎土や焼成状況などから、南東北地方で作られ、稲荷台遺跡へ持ち込まれた可能性も考えられます。
※7月18日(土)に遺跡見学会を開催しました
【以下、平成27年10月更新】 -----------------------------
調査は9月で終了しました。
今回の調査では旧石器時代の遺物集中区2箇所、近世の掘立柱建物跡4棟、土壙43基、縄文時代から平安時代の遺物包含層などが検出されました。
調査区の全景写真です。台地の上には掘立柱建物跡が4棟建っていました。
関東ローム層の中からは 旧石器時代の石器が集中して出土しました。およそ2万年前の石器です。黒曜石やナイフ形石器などが出土しました。
遺物包含層からは古墳時代前期の土師器が多く出土しましたが、祭祀に関わる土器や石器などはありませんでした。台地上のムラの人々が捨てた土器と考えられます。