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発掘調査

 

遺跡い せ きとは

過去の人々の営みの跡が残されている場所を遺跡い せ きと呼んでいます。遺跡から、古い時代の住まいや建物、お墓などの跡遺構い こ うと、使われていた土器や石器などの道具遺物い ぶ つが発見されます。遺跡の数は、日本全国で46万件を超え、埼玉県にも1万件近くあります。

発掘調査とは

遺跡は土の中に埋まっているため埋蔵文化財まいぞうぶんかざいとも呼ばれます。遺跡の範囲の中や近接地で道路やダム・堤防の工事、圃場ほじょう整備や土地区画整理、個人住宅やマンション建設などの開発を行う場合には、届け出が義務付けられています。開発によってやむを得ず遺跡が損なわれてしまう場合は、発掘調査が行われます。発掘調査の成果は、誰もが見られるように一冊の報告書にまとめて刊行し、未来へ繋げていきます(記録保存きろくほぞんと言います)。

  • ① 表土の掘削

    ① 表土の掘削

    バックホウなどの重機を使って、上層の土器や石器などの遺物が含まれていない表土を掘削します。どの深さまで掘削すれば建物跡などが見つかるか、職員が土層を見極めます。

  • ② 遺構の検出

    ② 遺構の検出

    ここからは人力による精密な作業です。ジョレンという道具で土の表面を薄く削り、遺構を見つけ出します。昔の人が掘った竪穴たてあな住居跡などには、もとの土地とは違う土が埋まります。見分けるポイントは、土の色の違いです。

  • ③ 遺構の掘削

    ③ 遺構の掘削

    移植いしょくごてに持ちかえて、遺構の中に埋まった土を掘り下げます。土の埋まり方や遺物の出方を調べるため、中央をベルト状に掘り残し、丁寧に掘り進めます。遺物が見つかったら、竹べらやハケに持ちかえて、傷をつけないよう慎重に土を取り除きます。

  • ④ 写真による記録

    ④ 写真による記録

    発掘作業や遣構を掘り上げた状況、遺物が出土した様子などの写真を撮影し、記録します。
    目的に合わせて、ドローンや高所作業車などを駆使くしして、写真を撮影します。

  • ⑤ 図面による記録

    ⑤ 図面による記録

    発見された遺構の位置や規模、形状のほか、土層の埋まり方、遺物が出土した状況、写真では伝わりにくい情報は、測量機械やメジャーで測って図面をつくります。発掘中でないと得られない情報についても、記録します。