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資料保存
保存処理とは―貴重な文化財を次世代に残していくために―
出土した木製品や金属製品は、そのままでは腐食が進み変形、崩壊してしまいます。そのため、科学的な処置を施し、資料として永く保存・活用できるようにします。
【金属製品の保存処理】
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① X線透過撮影
肉眼では見ることができない資料内部の状況を観察します。保存処理のための情報だけではなく、考古学的な情報も確認します。
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② クリーニング
X線透過撮影で得た情報をもとにさびや土を除去し、本来の形状に復元します。
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③ 樹脂含浸強化
鉄製品には脱塩処理、青銅製品には防錆処理を行います。最後にアクリル樹脂を含浸して強化します。
【木製品の保存処理】
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① 洗浄
筆などを利用し、表面の汚れを取り除きます。
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② 樹脂含浸
含浸槽を使い、木製品内部の水分をポリエチレングリコールPEGに置き換えます。破損や劣化を防ぐことができます。
※ポリエチレングリコール(PEG)には蝋と似た性質があり、温めると溶け、常温では個体の物質です。水溶性であり、水に溶かした低濃度液から高濃度液へ段階的に置き換えていきます。