【平成30年1月作成しました】
栗橋宿跡は日光道中(街道)の江戸から7番目の宿場で、発掘調査は平成24年度から行っています。栗橋宿跡第9地点は、JR宇都宮線栗橋駅の東約1㎞にあり、栗橋宿の町屋が立ち並んでいた区域にあたります。
現在は重機による表土掘削が終了し、人力で第一面の遺構を検出しています。
最も新しい第一面の発掘調査を始めました。重機を使って表土を取り除いています。
ジョレンという道具を使って地面を削っています。むかしの人が掘った穴や溝の跡を見つけています。
溝や杭列などで土地が区割りされています。中から建物跡や土壙が見つかりました。
【以下、平成30年1月更新】 ————————————————————————————————————
落語「道灌(どうかん)」で「日光街道四天王」とまで謳(うた)われた宿場町栗橋の、江戸時代終わりころの賑わいが明らかになってきています。
穴の底から、江戸時代の雨傘が出土しました。細い竹の骨組みに貼った和紙に、油や柿渋を塗った「番傘」と思われます。宿場町に立ち並ぶ旅籠で使われたのかもしれません。
80㎝ほどの深さの穴の中には、火を受けた壁土や瓦がぎっしりと詰め込まれていました。火災のがれきを片付けた跡のようです。
【以下、平成30年3月更新】 ————————————————————————————————————
四方に掘られた溝のなかに長い木材が据えられていました。これは蔵や瓦葺き建物のような重い建物を支えた基礎跡と思われます。
溝のなかに据えられた木材は、等間隔(90㎝または120㎝)に打ち込まれた杭の上に置かれていました。また、杭と杭の間に丸太が敷かれている場所もあり、建物の重さを支える工夫がこらされています。
火鉢が逆さまに出土しました。割ったり傷つけたりしないように、注意しながら周囲の土を取り除いていきます。