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栗橋宿西本陣跡 (久喜市)

読み方
くりはししゅくにしほんじんあと
場所
久喜市栗橋北二丁目3442-2他
調査期間
平成30年4月1日~平成30年9月30日
主な時代
近世

【平成30年10月更新しました】

栗橋宿西本陣跡は、JR宇都宮線栗橋駅から東へ1㎞程離れた利根川沿いに位置しています。栗橋宿西本陣跡の調査は今年度で4年目になります。この遺跡で一番古い第三面(江戸時代中頃)の調査を行っています。第三面からは、18世紀前半の食器などの陶磁器や木製品、人形などが出土しています。


穴の中からは陶磁器をはじめ木製品も多く出土しています。これらの遺物は写真と図面に記録するため、出土位置を動かさないように慎重な作業を行っています。


遺物をていねいに掘り出したところです。この穴の中からは、漆器のお椀やしゃもじ、陶磁器の茶碗や皿、木製の桶が出土しました。どれも壊れていることから、不用品をまとめて埋めたと考えられます。


これは土錘(どすい)という焼き物でできたおもりです。漁に使う網に結び付けて使います。栗橋宿の住民にとって、川魚は身近な食材であったことが感じられる遺物です。

【以下、平成30年7月更新】 ————————————————————————————————————


洪水で堆積した砂層の中から、倒壊した建築物の木皮材(こはだざい)が広範囲に検出されました。材は残存する長さが80㎝、幅20㎝前後で、板葺きの屋根か壁に用いたと思われます。


木皮材を剥がすと屋根の骨組みとみられる竹の棒が検出されました。


長方形の穴の中からは、使えなくなった日用品が大量に出土しました。漆椀や下駄・桶などの木製品、茶碗や皿・鉢などの陶磁器、銭や銅線・匙などの金属製品、この他に建築部材もあります。


長方形の穴の中からは、全長13.0㎝、鏡径7.2㎝の手鏡も出土しました。裏面には三つ柏(かしわ)の文様が刻まれています。

【以下、平成30年10月更新】 ————————————————————————————————————


第三面(江戸時代後期頃)の調査が終了しました。調査区の西から全体を撮った写真です。写真奥が日光道中(にっこうどうちゅう)、手前が敷地(しきち)の裏手(うらて)に当たります。遺構は敷地の裏手に集中していました。


穴の中から茶碗や火鉢などの陶磁器、漆椀(うるしわん)や桶などが出土しました。写真右下には照明に使われた灯明皿(とうみょうさら)も見えます。


キセルの吸い口や、引き出しなどの取っ手に用いられた装飾金具などの金属品類も出土しました。


漆塗り(うるしぬり)の櫛(くし)も出土しました。黒漆に金の線で櫛の絵のような模様が描かれています。