古墳時代後期(6世紀後半)の住居跡から特殊なカマドが発見されました。通常のカマドは白色の粘土を積み上げてつくりますが、ここでは砂岩の切石を使っています。両側の側壁と奥壁、及び支脚が砂岩製で、天井部にも使われた可能性があります。また、側壁の内側は真っ赤に変色しており、繰り返し使われていたことがわかります
古墳時代の住居跡
上の住居跡のカマド(砂岩製)
また、土師器を焼いた窯跡が5基発見されました。上から見ると縦長の三角形または「いちじく」のような形をしており、三角形の底辺側が最も深く、頂部に向かって浅くなります。底面が熱を受けて良く焼けているものが3基あり、「覆い焼き※」をしたものと思われます。
焼いた土器はほとんど残されていませんが、おそらく7世紀代の土師器を焼いたものと推定しています。
類例は少なく、貴重な発見例と言えましょう。
土師器を焼いた窯
半分だけ掘った状態。底面が焼けています。
※「覆い焼き」:土器の焼き方の一つで、まず底面に薪を敷き、その上に土器を置きます。次に土器の上に「わら」をかぶせ、最後に泥または灰を塗って点火すると2~3時間後には焼きあがります。