大山遺跡は、30年前に県立ガンセンター建設の際に16基の製鉄炉が発見されて以来、県内屈指の古代製鉄遺跡として著名です。 遺跡は、大宮台地の中央部付近に立地し、綾瀬川(あやせがわ)水系による深い谷に面した西向きの斜面に炉が築かれています。
今回は、その北側の地点を昨年度から調査していますが、昨年度に製鉄炉1基と炭窯が発見され、今年度の調査で更に製鉄炉3基が見つかりました。
通常、製鉄炉では砂鉄と木炭が高温の炉の中で反応して鉄が作られ、できた鉄は炉の前面(谷側)を壊して取り出されますが、 今回発見された3号炉では炉の前面の一部や羽口(はぐち)と呼ばれる送風管も残されており、 鞴座(ふいござ)と呼ばれる送風装置とともに、古代の製鉄炉の構造を知る上で非常に貴重な遺構といえましょう。
4号炉(右)を壊して作られている2号炉
2号炉の炉体部分
3号炉と鞴座(奥)
3号炉(中央に羽口も残されています)
大山遺跡では、平成16年3月13日(土)に現地説明会を開催いたしました。
当日は、天候にも恵まれ午前・午後で計83名の参加者がありました。
遺跡では調査員の説明に耳を傾け、また、展示室では熱心な質問が飛び交い、磁石の先端で玉のようになった砂鉄に歓声があがりました。
説明会あいさつ
展示資料の解説
左手前が2号炉、右奥が3号炉
遺構(3号炉)の説明