雅楽谷遺跡は埼玉県の縄文時代後期・晩期(約4000~2500年前)を代表する遺跡のひとつです。
遺跡は元荒川から分岐した小さな谷に面した台地の上にあります。現在、国立療養所東埼玉病院の新病棟建設に先立つ発掘調査が行なわれており、竪穴住居跡や墓の跡とともに、 多量の縄文土器・石器が出土しています。
特筆すべきは、近年日本各地で発見され注目されている「環状盛土遺構(かんじょうもりどいこう)」が、大変良い状態で残されていることです。
環状盛土遺構とは縄文時代の人々が多量の土砂をドーナツ状に盛り上げたもので、雅楽谷遺跡の環状盛土遺構は差し渡し100mを超える大きなものです。
盛土の中からは土偶や石棒・耳飾りなどの珍しい遺物が多数出土しています。
発掘調査風景
出土した黒曜石の原石
縄文時代後期の住居跡
貯蔵穴から出土した土器
雅楽谷遺跡では、平成16年3月14日(日)に現地説明会を開催いたしました。
当日は、3月とは思えない暖かい陽光のなか、午前・午後で計178名の参加者がありました。
遺跡では深い土壙や住居跡、展示された遺物に熱心な質問がよせられ、また「環状盛土遺構」の大きさは、自分達の足で歩いて体感しました。
説明会あいさつ
展示資料の解説
「環状盛土」を歩く
深さ2m近い土壙
貯蔵穴から出土した土器
住居跡の説明