杉の木遺跡の調査では、弥生時代後期の竪穴住居跡10軒と古墳時代後期の古墳跡3基などが確認されました。
弥生時代の住居跡は、地面を長方形に掘り込み、床面には炉や柱穴があります。粗い縄目文様をもつ壺や甕(かめ)が出土しました。
古墳跡は直径20m前後の円墳が3基並んでいました。すでに墳丘(ふんきゅう)は削られていましたが、古墳のまわりをめぐる周堀から円筒埴輪や土器が出土しました。
また、古墳(毛塚32号墳)の周堀の壁面を掘り込んで埋設した埴輪棺(はにわかん)が発見されました。 埴輪棺は4本の円筒埴輪を棺(ひつぎ)として用いています。入れ子状にした2本の埴輪を合わせ口にしており、 透孔(すかしあな)や合わせ目を破片で入念に塞いでいます。調査途中のためはっきりしませんが、「小児」を埋葬したものと考えられます。
弥生時代後期の竪穴住居跡
粗い縄目文様をもつ弥生土器
古墳時代後期の円墳
朝顔形円筒埴輪の出土状況
埴輪棺の出土状態