皿沼西遺跡は、JR高崎線深谷駅から北に約2kmの深谷市上敷免(じょうしきめん)にあります。 発掘調査は、広域河川改修事業に伴って行われています。
調査の結果、弥生時代の土壙墓(どこうぼ)、古墳・奈良・平安時代の竪穴住居跡、奈良・ 平安時代の畠跡が発見されました。
古墳時代中期(約1500年前)の竪穴住居跡には、カマドが造られており、導入期のカマドとして貴重な発見です。 カマドの中央には甕が掛けられた状態で出土し、中から甕を支える支脚(しきゃく)に使われた 高坏(たかつき)が逆さの状態で出土しました。
奈良・平安時代の集落では、竪穴住居跡や掘立柱建物跡、井戸跡などが発見され、また、集落の周囲には細長い溝状遺構を 伴う耕作地も見つかりました。
このように、皿沼西遺跡では、古墳時代中期に大規模な集落が造られた後、奈良・平安時代に再び畠を伴う集落が形成 されています。集落景観の復元できる貴重な遺跡といえましょう。
皿沼西遺跡航空写真(南から北を望む)
皿沼西遺跡全景(西から東を望む)
古墳時代の竪穴住居跡に造られたカマド
カマドの中央に支脚が据えられている
奈良時代の竪穴住居跡(拡張された住居跡)
平安時代の掘立柱建物跡
集落の周囲に広がる畠跡
発掘調査の様子
※平成21年1月24日(土)に★遺跡見学会を開催しました。
奈良時代の竪穴住居跡を説明
奈良・平安時代の掘立柱建物跡