内郷遺跡は、埼玉古墳群の南約1㎞にあり、今回の調査は県道148号線の拡幅工事に伴うものです。
現在までの調査で、奈良時代の竪穴住居跡2軒と中世から近世の溝跡や井戸跡などが見つかりました。
溝跡や井戸跡からは、板碑と呼ばれる石で造られた供養塔が出土ており、このうち一つの井戸跡には 6枚もの板碑が捨てられていました。板碑には年号の読めるものがあり、いつ頃造られたかが分かります。 今回の調査で出土した板碑は、文永七年(1270)から文和四年(1355)までのもので、鎌倉時代から南北朝 時代のものです。これらの板碑は、江戸時代ごろに捨てられたものと考えられます。
2区調査区全景
6枚の板碑が出土した井戸跡
3区調査区全景
3区の溝跡から出土した板碑