【平成25年11月更新しました】
宮東遺跡は、埼玉県北東部の加須市にあります。遺跡は、利根川の右岸に形成された自然堤防上に立地しています。調査は利根川の堤防強化対策工事に伴って、昨年度から継続して行っています。
宮東遺跡では、カマド付きの竪穴住居跡が出現する5世紀前半の集落跡が発見されました。住居跡からは、朝鮮半島南部で使われていたものと共通する多孔甑(蒸し器)や、須恵器の把手(とって)付椀、ハソウなどが出土し、豊かな暮らしの一端が明らかとなりました。
また、宮東遺跡は江戸時代に利根川の流通を担った大越河岸の一部であったことから、中近世の井戸跡や溝跡、土壙なども発見されました。板石塔婆、石臼、陶器、青磁などが出土したことから、この地が、鎌倉時代から栄えていたことがわかりました。
古墳時代のカマドと出土した土器
古墳時代の把手付多孔甑
発掘風景
【以下、平成25年7月更新】 ———————————————————————————————–
宮東遺跡では、古墳時代から平安時代初めにかけて埋まった古い河川跡が発見されました。この河川跡には、厚く砂が堆積していました。利根川か谷田川の古い流路跡と考えられます。
また、竪穴住居跡で構成された村の一部も検出されました。四角い竪穴住居跡の一辺には、カマドが作られ、薄い甕(ナベ)が掛けられていました。カマドの周辺からは、食器も出土しました。
さらに、中世の井戸跡からは、漆塗りの椀も出土しました。
手前の広いところが河川跡
平安時代の竪穴住居跡
井戸跡から出土した漆塗りの椀
【以下、平成25年9月更新】 ———————————————————————————————–
河川跡からは、古墳時代の土師器がたくさん出土しました
土器がつぶれた状態で出土しています
河川跡の調査風景です
新旧の竪穴住居跡が、重なりあってみつかりました
中世の井戸からは板碑(いたび)や曲物(まげもの)が出土しています
【以下、平成25年11月更新】 ———————————————————————————————–
宮東遺跡では、古墳時代の竪穴住居跡と遺物が多く出土した河川跡などのほか、奈良・平安時代の竪穴住居跡も複数発見されました。また、中世の井戸跡や溝跡、土壙なども見つかり、井戸跡からは漆椀や下駄などの木製品が出土しました。
今年の宮東遺跡の調査は9月30日で終了しました。
古墳時代の竪穴住居跡
第2次調査完了状況