【平成26年2月更新しました】
大木戸遺跡は、JR川越線西大宮駅の北西約400mにあります。
現在まで度重なる調査が行われており、今年は第14次調査からはじまり、現在、第16次調査を実施しています。
第14次調査では、土壙59基、溝跡1条の他、多くのピットが検出されました。
土壙の多くは江戸時代のものと考えられますが、このうち3基は、縄文時代後期から晩期の貯蔵穴と考えられます。
遺物は、縄文土器や石器、近世の陶磁器類が出土しました。
第15次の調査区は、遺跡の北西部に位置する台地から滝沼川に向かって下がる低地部分を対象に実施しました。
台地上では、縄文時代早期後半の炉穴が見つかっています。
また、調査区西端の斜面部分からは、縄文時代後期前葉の住居跡が1軒見つかっています。
低地部分からは、台地上に営まれた集落に関連する縄文時代後期前葉から中葉の土器や石器が見つかりました。
縄文時代の土壙(貯蔵穴)<第14次調査>
【以下、平成25年7月更新】 -----------------------------------
【以下、平成25年10月更新】 -----------------------------------
第15次調査区では、石のように砂が固まった「硬砂(かたすな)」が検出されました。
第16次の調査区は、第15次調査区に隣接する地点を対象に実施されています。
調査はまだ始まったばかりで、現在、表土掘削を終え、縄文土器が見つかっています。
【以下、平成25年12月更新】 -----------------------------------
第16次の調査区では、台地上から近世の溝跡や縄文時代の大きな土壙が見つかっています。
現在、台地から低地にかかる部分の表土掘削が終了し、遺構の確認作業を進めています。
第15次調査で確認した「硬砂(かたすな)」面は今回の調査区内にも続いています。
この面では硬砂を掘り込んでつくられたピットや炉のように焼けた部分が見つかっています。
【以下、平成26年2月更新】 -----------------------------------
台地に挟まれた浅い谷地形の箇所から土壙が約30基検出されました。
これらの土壙は、直径約50cm×深さ120~180cmの細長い円筒状の形態と、直径80~120cm×深さ120~180cmの袋状の形態のものがあります。中からは縄文時代後期(堀之内式期~加曾利B式期)の土器が出土し、いずれも貯蔵穴と考えられます。台地先端部に硬砂層の露頭を検出しました。
硬砂とは、今から約6~7万年前に堆積した砂が凝固して形成された層で、主に大宮台地のローム土の下面で確認されます。桶川、北本、蓮田市でも確認されており、厚さは約120cmで、標高10mの位置に形成されています。硬砂層の下には糠層(ぬかそう)と呼ばれる黄褐色の柔らかい土が堆積しているのも確認しました。