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宮東遺跡(第5次) (加須市)

読み方
みやひがしいせき
場所
加須市大越川圦2686-4他
調査期間
平成27年4月1日〜平成28年3月31日
主な時代
古墳時代 奈良・平安時代 中世 近世

【平成28年3月更新しました】  平成26年度の調査はこちら

宮東遺跡は、東武伊勢崎線加須駅から北に約8㎞地点にあります。旧利根川堤防跡より約200m下流に位置しています。調査は利根川の堤防強化工事に伴って平成24年度から継続しており、今年度は第5次調査となります。
平成26年度は、古墳時代、奈良・平安時代、中世、近世の集落跡を調査しましたが、現在は古墳時代の集落跡の調査を行っています。竪穴住居跡のほか、溝跡や土壙などを検出しています。

H27宮東1

ジョレンを使って地面を慎重に削り、遺構の正確な形を確認しています。

H27宮東2

確認された古墳時代の竪穴住居跡を調査しています。

H27宮東3

竪穴住居跡からは、古墳時代後期(6世紀後半)の土器が出土しました。

 

【以下、平成27年7月更新】-----------------------------------

竪穴住居跡の調査を行っています。一辺が約7メートルもある大型の竪穴住居跡が発見されました。この住居跡は、出土した土器の特徴から古墳時代後期のものと考えられます。このほかに、竪穴住居跡が8軒検出されました。8月以降は、新しい調査区の調査を開始する予定です。

H27-7miyahigashi1 大型の竪穴住居跡の調査状況です。

H27-7miyahigashi2

調査を進めると、カマド周辺から多くの土器片が出土しました。ただ残念なことに、カマドの一部は、後世の井戸に破壊されていました。

H27-7miyahigashi3

一辺が約7メートルもある竪穴住居跡の全景です。土器はカマドとその周辺からまとまって出土しました。

 

【以下、平成27年10月更新】 -----------------------------------

昨年度から継続していた西側の調査区は終了しました。現在は、東側の新しい調査区の準備を進めています。いよいよ調査スタートというところで雨が続いていますが、可能な範囲で遺構確認を行っています。

H27-10miyahigashi

ジョレンという道具を使って地面を慎重に削り、遺構の正確な形を確認しています。現在までに中世・近世の溝跡、土壙、井戸跡などが確認されています。

 

【以下、平成27年12月更新】 -----------------------------------

東側の調査区では、中世・近世面の遺構調査が終了しました。現在は、奈良・平安時代の遺構確認面まで重機で掘削を行っています。
H27-12miyahigashi1

ジョレンを使って地面を慎重に削り、遺構の正確な形を確認しています。中世・近世の土壙、溝跡、井戸跡などが確認されました。

H27-12miyahigashi2

溝跡の調査をしています。調査区東側、約400㎡の範囲から45条が集中して検出されました。中世に耕作された畑の畝跡と考えられます。

H27-12miyahigashi3

中世・近世面の全体写真です。土壙、溝跡、井戸跡などが検出されました。

 

【以下、平成28年1月更新】 -----------------------------------

調査区の中で、遺物が集中的に出土する箇所を中心に、手作業で丁寧に土を掘り下げ、調査を進めています。出土遺物は、平安時代前半(約1,150年前)の土師器が中心です。この下には、竪穴住居跡などの痕跡を窺うことができます。

H28-1miyahigashi1

小さな土器片でも、出土状況を記録します。出土した遺物はそのまま土山にして残し、回りを掘り下げていきます。

H28-1miyahigashi2

ある程度掘り上がったところで、土器などの遺物がどのような密度で分布していたかを記録するため、遺物のひとつひとつに番号を付け、位置を計測していきます。

 

【以下、平成28年3月更新】 -----------------------------------

平安時代前半(約1,150年前)の遺物が集中的に出土する一画の掘り下げが終了し、遺構確認を行いました。竪穴住居跡、土壙、井戸跡、溝跡が検出されました。
H28-3miyahigashi1

ジョレンを使って地面を慎重に削り、遺構の正確な形を確認しています。

H28-3miyahigashi2

平安時代の遺構が検出されました。これらの調査は平成28年度に行う予定です。