【平成27年12月更新しました】
北坂遺跡は、関越自動車道[上り線]寄居パーキングエリアの東側に位置します。調査は寄居P.A.スマートインターの建設に伴って行っています。北坂遺跡は関越自動車道の建設に伴い、昭和51年に第1次調査が実施され、縄文時代早期の遺物集中、古代の集落跡が見つかりました。
今回は住居跡2軒、土壙、柱穴跡、溝跡、炭焼窯などが検出されています。縄文時代の石器と土器片、古代の土師器、須恵器などの遺物が出土しています。
ジョレンを使って地面を慎重に削り、遺構の正確な形を確認しています。
第1号炭焼窯です。炭化材の残存状況を確認しながら調査を進めています。
【以下、平成27年7月更新】 -----------------------------------
新たに、平安時代の竪穴住居跡が発見されました。
残念ながら堅穴住居跡の半分は調査区の外となります。東側(写真上)には、煮炊きをしたカマドがあり、その横には貯蔵穴がありました。
土師器や須恵器などがカマドの周辺から多く出土しました。なかでも須恵器の坏は、完全な形で残っていました。寄居町にある末野窯跡群で焼かれたものです。
【以下、平成27年10月更新】 -----------------------------------
調査は8月で終了しました。
今回の調査では平安時代の竪穴住居跡、溝跡、旧石器時代の石器集中等が検出されました。旧石器は火山灰である関東ローム層の中に埋没しています。北坂遺跡で発見された石器は、およそ3万年前の地層から出土しました。
関東ローム層を丁寧に掘り下げながら、石器を探していきます。
石核(せきかく)が出土しました。石核とは、石器のもととなる剥片(はくへん)を割りとった石のことです。
【以下、平成27年12月更新】 -----------------------------------
第3次調査は、9月から10月に実施しました。
今回の調査では、旧石器時代の石器集中2箇所と単独出土地点1箇所、土壙9基などが検出されました。
およそ30,000年前の地層から、安山岩の大型の縦長剥片が単独で出土しました。
約25,000年前の石器集中2箇所は隣接して発見されました。
黒曜石(こくようせき)のナイフ形石器2点と、黒曜石・頁岩(けつがん)・安山岩(あんざんがん)の剥片(はくへん)や石核(せきかく)が見つかっています。
第5号土壙から縄文時代早期(約8,000年前)の小さな土器片が出土しました。第1次調査でも同時期の遺物集中が検出されており、それとの関連が考えられます。
※1月9日(土)に遺跡見学会を開催しました。