【平成28年3月更新しました】
茂手木遺跡は、東武伊勢崎線羽生駅の北東約4kmに位置しています。利根川右岸に形成された自然堤防上に立地しており、利根川の堤防強化工事に伴って調査を行っています。
現在は表土掘削中で、終了したところから順次遺構の確認作業を行っています。
重機を使って表土を掘削しています。
平安時代の集落跡が存在すると考えられます。
【以下、平成27年12月更新】 -----------------------------------
表土掘削が終了し、遺構の確認や掘削を行っています。奈良時代から平安時代にかけての竪穴住居跡や溝跡などが検出され、土器も多数出土しました。
遺構検出のためのトレンチ(試掘溝)から平安時代の土器が出土しました。出土状況や土層の堆積から、この地面の下には竪穴住居跡があると考えられます。
調査中の土壙からも土器が出土しています。写真の土壙からは平安時代の土器の破片が60点以上出土しました。
【以下、平成28年1月更新】 -----------------------------------
平安時代の遺構面を調査しています。これまでに18軒の竪穴住居跡のほか、井戸跡、溝跡などが確認されました。竪穴住居跡からは須恵器や土師器などの土器片が多数出土しました。
竪穴住居跡から出土した土器を丁寧に掘り出しています。
カマドから土器が出土しました。写真中央の土器の下には数個体の坏が重なっており、一番下には甕が据えてありました。カマドにかけた甕などを支える支脚(しきゃく)として使われたと考えられます。
【以下、平成28年3月更新】 -----------------------------------
3月で平安時代の発掘調査が終了しました。今回は、平安時代の集落跡を調査し、竪穴住居跡20軒、掘立柱建物跡1棟、土壙67基、溝跡30条、および、近世の井戸跡1基と溝跡2条が検出されました。竪穴住居跡からは、須恵器や土師器が多数出土しています。
竪穴住居跡のカマド脇からは、須恵器と土師器が重なって出土しました。土師器の底面には「寺」という文字が墨で書かれていました。
土壙からは、平安時代の土器や木製品が折り重なって出土しました。まとめて捨てられたものと考えられます。