EXCAVATION RESULTS発掘成果

【371集】中道・中道下遺跡

中道・中道下遺跡

市町村朝霞市

主な時代縄文~平安

発行年度2010

中道・中道下遺跡は荒川の支流黒目川左岸の河岸段丘上に立地している。都市計画道路岡通線の建設事業に伴い、当事業団が平成20年度から平成21年度にかけて発掘調査を実施した。本書に係る発掘調査は、同遺跡の第7次から第9次調査にあたる。
中道・中道下遺跡は縄文時代から古代にわたる複合遺跡である。
縄文時代の遺構は中期末葉から後期前葉にかけてのもので、4軒の竪穴住居跡は調査区の南部に集中し、これより北側のやや高い部分に土墳群が分布していた。
弥生時代の遺構は竪穴住居跡を16軒検出した。いずれも後期で、調査区全体から検出され、その軒数と密度からこの地域の中核的な集落と考えられる。集落の範囲は東西方向に広がっていると考えられ、これらの竪穴住居跡は主軸方向により、大きく2つのグループに分けられる可能性がある。
古墳時代の遺構は後期の竪穴住居跡が1軒、奈良・平安時代の遺構は竪穴住居跡が5軒検出された。過去の調査事例から、奈良・平安時代の集落の中心は今回の調査区より東寄りに存在する可能性が高い。

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