EXCAVATION RESULTS発掘成果

【373集】前原/大沼

前原/大沼

市町村桶川市

主な時代旧石器・縄文・古墳・中世・近世

発行年度2010

前原・大沼両遺跡は、桶川市大字川田谷に所在し、JR高崎線桶川駅からは西方に約4㎞である。大宮台地の西端にあたり、西側には荒川低地が広がっている。標高は21~21.5ⅿである。
前原遺跡は、縄文時代と古墳時代を主体とする集落遺跡である。縄文時代で特筆されるのは、中期後半の住居跡から出土したトロフィー形の台付き特殊両耳壺で、周辺には類例がない。また、前期末葉の深鉢形土器が逆位で出土した土壙は、「甕被り葬」の可能性がある。古墳時代前期の竪穴住居跡の内1軒は、水晶や緑色凝灰岩の玉作り工房跡と考えられる。水晶の工房跡としては、東松山市の反町遺跡とともに関東地方最古級の調査例となる。また、二段掘り込みの大型土壙墓が2基検出されており注目される。
大沼遺跡は中・近世の遺跡で、大溝から多量の陶磁器が出土し、屋敷の存在が想定される。また、旧石器時代の調査も行われ、大型の尖頭器のほか2箇所の石器集中などが検出されている。

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