EXCAVATION RESULTS発掘成果

【379集】大山遺跡第13・14次

大山遺跡第13・14次

市町村伊奈町

主な時代奈良・近世

発行年度2011

大山遺跡は、JR高崎線上尾駅から東北東へ約3km、JR東北線蓮田駅から西へ3kmの地点に位置し、埼玉県北足立郡伊奈町大字小室に所在する。大宮台地のほぼ中央に位置し、綾瀬川と原市沼川に挟まれて開析された小室支台西側に立地している。標高は14m前後である。大山遺跡は、縄文時代・古墳時代・奈良時代・平安時代・近世に営まれた集落遺跡である。なかでも、奈良時代・平安時代には製鉄炉や炭焼窯が多数調査されており、大規模な製鉄遺跡であったことが知られている。
今回の発掘調査では、奈良時代の竪穴住居跡8軒、近世の掘立柱建物跡1棟が検出された。奈良時代の住居跡では、床面や覆土から多量の製鉄関連遺物が出土し、住居跡が製鉄の工程後、鉄の選別を行う作業場に使用されていたことが分かった。また、第3・4・8号住居跡のカマドでは製鉄炉の壁を造りつけ支脚に転用するなど、8世紀前半に製鉄と集落が深く関わりあっていた様子が明らかになった。

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