EXCAVATION RESULTS発掘成果

【385集】富田後遺跡

富田後遺跡

市町村川島町

主な時代縄文・古墳・中近世

発行年度2011

富田後遺跡は、比企郡川島町の荒川右岸に所在する。川島町は旧河川と、それによって形成された多数の自然堤防が明瞭に残されている地域である。遺跡は、その旧流路のひとつに面した自然堤防上に立地している。この旧流路の対岸の自然堤防上には、元宿遺跡が存在している。土壙内から縄文時代後期の土器が出土したことから、富田後遺跡が立地している自然堤防は、この時期には既に形成されていたことが判明した。古墳時代前期では、立地的に標高の高い部分に方形周溝墓が分布している。周溝状遺構は方形周溝墓を避けるように調査区全体にほぼ満遍なく分布するが、一部は方形周溝墓と重複関係にある。この時期の井戸の約3分の1には、意図的に土器が納められていることは特筆に値する。古墳時代後期では古墳の周溝から、埼玉古墳群で用いられているのと同様の、大型の円筒埴輪が出土した。奈良・平安時代では集落は小規模であったが、中・近世に入ると徐々に拡大していったと考えられる。

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