EXCAVATION RESULTS発掘成果

【389集】向/十二天/青柳古墳群南塚原支群/皂樹原Ⅱ

向/十二天/青柳古墳群南塚原支群/皂樹原Ⅱ

市町村本庄市/神川町

主な時代旧石器・縄文・古墳・平安・中近世

発行年度2012

本書所収の4遺跡は、埼玉県の北西部、児玉地域に位置する遺跡群である。向遺跡と隣接する十二天遺跡は、上武山地から連なる児玉丘陵の麓にある平安時代の集落で、本来一つのムラを構成する。今回の調査では、9世紀後半から10世紀前半の竪穴住居跡が16軒検出され、酸化焔焼成による須恵器の坏と埦、鉄釜を模倣した羽釜、東濃産の灰釉陶器などが出土した。類例の少ない、則天文字に類する特殊文字を記した朱書土器は注目される。
青柳古墳群は、神流川右岸の河岸段丘の上下に沿って、群れをなして連なる総数270基余りの古墳群である。南塚原支群は、青柳古墳群のほぼ中央に位置し、90基以上の古墳が確認されている。その大半は横穴式石室を埋葬施設とした後期古墳である。今回の調査で、古墳群の一角に古墳時代前期の方形周溝墓群が造営されていたことが明らかとなり、青柳古墳群の成立背景を考える上で新たな知見が得られた。
皂樹原遺跡は、隣接する檜下遺跡とともに、奈良時代から平安時代にかけて営まれた大規模集落である。今回の調査地点は、集落域の西縁部にあたり、平安時代の溝跡や土壙などが検出された。

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