EXCAVATION RESULTS発掘成果

【390集】新田東遺跡

新田東遺跡

市町村毛呂山町

主な時代縄文・近世

発行年度2012

新田東遺跡は、毛呂山町南部の丘陵である毛呂山丘陵の東方向に張り出した尾根上に位置している。調査区の標高は約103m前後である。
調査の結果、縄文時代中期の住居跡75軒が検出された。毛呂山町の調査成果と併せると、標高約100~103m前後の等高線上を巡り、環状集落が営まれていたことがわかる。出土した遺物から、時期は中期中葉から後葉でこの時期に営まれた拠点的な集落であったと考えられる。環状に巡る集落の中央には土壙群が検出され、また土壙群の西側には掘立柱建物跡が集中して検出された。
調査区の北側斜面には、遺物を大量に廃棄した遺物集中が検出された。毛呂山町の調査でも、同様の遺物集中が検出され、集落内に複数の廃棄場があったことは、当時の集落運営を考えるうえでの貴重な事例である。
また、遺物集中区内やその周辺の住居跡内から、ミニチュア土器や耳飾等の土製品が比較的多く出土したことは、遺物集中区における廃棄状況を考えるうえで、貴重な成果である。

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