EXCAVATION RESULTS発掘成果
【403集】高麗石器時代住居跡遺跡

市町村日高市
主な時代縄文・中近世
発行年度2013
高麗石器時代住居跡遺跡は、高麗川右岸の台地上に立地する。昭和4年に発掘調査が行われ、埼玉県内で初めて竪穴住居跡が発掘調査された、学史的に残る遺跡である。また、昭和32年には、住居跡が国の史跡に登録されたことでも知られている。
平成20年度に実施された第2次調査では、縄文時代中期の住居跡や土壙、中世から近世の土塁や土壙、溝跡などが発見された。平成23年度に実施された第3次調査では、縄文時代中期の竪穴住居跡6軒が密集した状態で検出された。
住居跡は、建て替えなどが繰り返されたことにより、複雑に重なり合っていた。住居跡は台地の平坦部から緩斜面部にかけて、地形に沿うように建てられており、史跡に登録された高麗石器時代住居跡に連なることが明らかとなった。第2次調査で発見された住居群の間には、遺構が疎らな空間が存在したことなどから、遺跡は内部に広場のような空間をもつ、縄文時代中期の環状集落であることが明らかとなった。