EXCAVATION RESULTS発掘成果
【416集】清左衛門遺跡

市町村白岡市
主な時代縄文・中近世
発行年度2015
縄文時代は、竪穴住居跡23軒、炉跡2基、土壙156基、埋甕1基、溝跡3条、集石土壙1基などの他、隼人堀川右岸の谷部からは、水場遺構4箇所、木組み遺構2箇所、土壙25基などが検出されている。
竪穴住居跡は、前期~晩期(安行期)の各期である。方形の柱穴配置をとる安行期の住居跡は一辺6~9m程度の規模で、数軒の集中が谷頭の狭い範囲に認められ、密に重複している。台地縁辺の斜面部には遺物包含層が形成され、多数の遺物が出土している。
木組み遺構2箇所は小規模な杭の集中で、第1号木組み遺構は5点、第2号木組み遺構は11点の杭が確認された。水場遺構4箇所の規模、内容は様々であり、丸木材、分割材、板材などによって構成されている。
第1号水場遺構は調査区に沿って7.0m、直行する方向に3.5m、深さ0.4mという規模の木材集中である。縄文時代晩期を中心とする遺構である。
第2、4号水場遺構は部分的な検出にとどまった。杭材が主体を占めている。
第3号水場遺構は幅3.0m、長さ5.2m、深さ0.3~0.8mにわたって検出された。底面は平坦ではない。縄文時代後期中葉の遺構である。底面近くからは舟形木製品が出土している。径18㎝の丸太をくり抜いて作られており、その形状から丸木舟が連想される。長さは49㎝で、2箇所に脚を削り出している。
縄文時代後晩期の集落に付随する施設として水場遺構が検出されたことは重要であり、縄文時代後晩期集落の景観を復元できる貴重な資料といえる。
中近世は、溝跡5条、土壙1基が検出された。