EXCAVATION RESULTS発掘成果
【423集】浦山城跡

市町村皆野町
主な時代中近世
発行年度2016
浦山城跡は、埼玉県秩父郡皆野町大字金沢字浦山上土地区に所在する。関東山地東部に位置し、南西から北東方向に延びる標高約500~530mの尾根上に立地する。頂部を削平して主郭が造られ、郭をはさんだ東西両側に堀切が掘られている。今回の発掘調査では、堀切の東側から平場2箇所と炭焼窯跡2基が発見された。遺物は平安時代の須恵器、戦国時代のかわらけ、江戸時代中頃の肥前系陶器皿・寛永通宝などが出土し、炭焼窯跡から検出された炭化材の放射性炭素年代は戦国時代と測定された。そこで、平安時代に開鑿が始まり、戦国時代には山城の一部となった。江戸時代になると頂部に残る石造物から信仰対象の場となり、土地利用の変遷を解明することができた。