EXCAVATION RESULTS発掘成果

【424集】大平遺跡

大平遺跡

市町村桶川市

主な時代縄文・古墳・平安・中近世

発行年度2016

大平遺跡は大宮台地北西部に位置し、荒川支流の石川堀によって形成された谷地奥に立地する。
調査によって、縄文時代から中・近世に及ぶ遺構を検出した。縄文時代では、前期から中期の住居跡が検出された。
調査区からは土製玦状耳飾りが出土した。古墳時代では前期の住居跡2軒を検出した。1軒は住居内周囲が一段高く掘り残されて、棚状の施設となっている。平安時代の住居跡は、削平によりカマド基部のみが遺存していた。
中・近世では、天正18年頃、徳川家に従って関東に入り、石戸領を知行した牧野氏陣屋の一部を検出した。陣屋西部の区画溝からは、大窯期の瀬戸美濃製品や初期伊万里様式の肥前系磁器大皿が出土した。また、牧野氏所縁の寺院である「見樹院」の遺構が検出された。なお、火葬遺構から出土した炭化穀物は「おにぎり」の可能性があり、内部から永楽通寶6枚が見つかった。銭が入ったおにぎり状炭化物は、神奈川県で2例報告されている。

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