EXCAVATION RESULTS発掘成果
【429集】楽中遺跡

市町村桶川市
主な時代旧石器・縄文・古墳・中近世
発行年度2017
楽中遺跡は大宮台地北西部に位置し、荒川支流の江川下流の右岸台地上に立地する。
今回の調査では、旧石器時代から中・近世に及ぶ遺構・遺物が検出された。
旧石器時代では、ナイフ形石器と剥片が出土した。
縄文時代では、早期後葉の炉穴が6基検出され、条痕文系の土器が出土した。また前期から後期の住居跡9軒が検出された。前期末の集石土壙も1基検出された。
古墳時代では、前期の住居跡が11軒検出され、うち1軒は円形の住居跡であった。また、南関東~東海地方の影響を受けた土器が出土した。後期の住居跡も1軒検出され、カマド内から土玉が31点出土した。調査区域中央から検出された古墳跡は、川田谷古墳群樋詰支群の樋詰6号墳に該当し、石室内の土壙からは銅鉄装大刀が1振出土した。大刀の佩はいようかなぐ用金具から、古墳の造営は7世紀第2四半期と推定した。
中・近世では、屋敷地の区画溝跡が検出された。また、近世末の野鍛冶の廃棄土壙が検出された。