EXCAVATION RESULTS発掘成果
【431集】中平遺跡
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市町村寄居町
主な時代旧石器・奈良・平安・近世
発行年度2017
中平遺跡は、埼玉県大里郡寄居町大字用土字中平に所在する。松久丘陵から分離した諏訪山の南面する斜面地に形成された奈良・平安時代の集落跡である。竪穴住居跡・掘立柱建物跡は建物の方向を揃え、重複が少ない、統一された正面観を持つことなどから企画性の高い集落跡と捉えられる。鍛造・鋳造による金属製品の生産が行われていた炉跡の発見は、周囲に所在する金属生産関連遺跡群の一つに加わることとなった。また、2軒の焼失住居から検出された建築部材がクリ材に統一されており、クリ栽培が予想された。さらに、旧石器時代の石器集中2箇所の発見によって、市町境界を境に隣接する深谷市北坂遺跡の石器集中の南限が明らかになった。