EXCAVATION RESULTS発掘成果

【434集】槙野地北遺跡

槙野地北遺跡

市町村幸手市

主な時代縄文・古墳・奈良・平安・中近世

発行年度2017

槙野地北遺跡は江戸川堤防右岸の下総台地宝珠花支台上に立地している。本遺跡は過去に第1・2次調査を幸手市教育委員会が実施し、今回は平成25・26年度に、当事業団が着手した第3・4次調査の成果報告である。調査の結果、縄文時代から中・近世にかけての各種遺構・遺物が検出された。
縄文時代については、早期後葉の炉穴や前期諸磯式期の竪穴住居跡、黒浜式期の地点貝塚が確認された。地点貝塚では、17万点に及ぶ貝が検出され、本地域有数の確認数となった。貝種はアサリを主体とし、マガキやサルボウ、ハイガイ、ハマグリ等、豊富な種類で構成される。
古墳時代については、数多くの竪穴住居跡が検出された。前期の大型住居跡は一辺13mを超える県内最大級の規模を誇る。竪穴住居跡の多くは、古墳時代後期以降に集中し、出土土師器は埼玉県域以外にも、栃木県域や千葉県域の特徴が強い。
奈良・平安時代については、竪穴住居跡から茨城県新治窯跡群や三和窯跡群、栃木県三毳窯跡群、静岡県湖西窯跡群といった埼玉県外の地域で生産された須恵器が出土した。国界地域における活発な交流が推定される。
中・近世については、掘立柱建物跡や井戸跡などが検出された。

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