EXCAVATION RESULTS発掘成果

【439集】米の宮遺跡

米の宮遺跡

市町村羽生市

主な時代古墳・平安・中近世

発行年度2018

米の宮遺跡は利根川右岸に位置する。調査区は自然堤防からローム台地に移り変わる地形上に立地しており、調査では古墳時代から中世にかけての集落跡が発見された。
古墳時代では竪穴住居跡1軒が発見され、土師器が数点出土した。
平安時代では竪穴住居跡4軒と土壙1基が発見された。竪穴住居跡からロクロ土師器や内面黒色土器、末野窯産や南比企窯産の須恵器などが出土した。
中世では掘立柱建物跡9棟をはじめ、その周辺に柵列跡や井戸跡、溝跡、竪穴状遺構といった各種遺構が発見された。これらの遺構は調査区中央部の第6号溝跡よりも西側に集中する。そのうち第7号掘立柱建物跡は、四面に廂がとりつき、廂を含めた全長が桁行15.85m、梁行7.38mと大型の建物跡である。いくつかの柱穴には角閃石安山岩とチャートの礎石(礎板石)が置かれていた。
中世の遺構群は、主に13世紀後半から15世紀前半にかけて複数時期にまたがるものの、溝跡により掘立柱建物跡が集中する箇所、井戸跡が集中する箇所、竪穴状遺構と土壙が集中する箇所と分かれ、各遺構が計画的に配置された屋敷跡と推定される。

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