EXCAVATION RESULTS発掘成果

【442集】小林八束1遺跡Ⅱ

小林八束1遺跡Ⅱ

市町村久喜市

主な時代縄文・古墳・中近世

発行年度2018

小林八束1遺跡は、埼玉県の東部に位置し、大宮台地が加須低地に移行する部分に当たる。遺跡はローム台地上に形成されているが、埋没しているため、低地との比高差に乏しく、平坦な景観となっている。
調査では、縄文時代早期の炉穴や土壙が検出された。縄文時代後期後半から晩期にかけては盛土が形成され、盛土内からは住居跡や土壙が検出された。出土土器も多いが、加曽利B式後半から曽谷式土器がまとまっている。谷を挟んだ盛土の北側では、晩期の祭祀遺物集中地点と土器集中地点が検出された。祭祀遺物集中地点では、大型中空の木菟土偶、小型中実の木菟土偶がまとまっており、ミニチュア土器や注口土器も多く出土した。隣接する土器集中地点は深鉢形土器が主体で、土偶や注口土器、ミニチュア土器が少ないなど、遺物の組み合わせを異にしている点が注目される。
古墳時代では、前期の住居跡が検出された。第一次調査でも住居跡や方形周溝墓が検出されており、この時期でも大規模な集落や墓域が形成されていたことが明らかとなった。

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