【449集】東畑遺跡

市町村羽生市

主な時代中近世

発行年度2018

東畑遺跡は、埼玉県羽生市下村君に所在し、利根川の自然堤防上に立地する。今回の調査によって、中世後半から近世にかけての遺構が検出された。第9号井戸跡からは複数の割れた板碑の上に重ねられたかわらけや石臼・焼石、散乱した種実類が出土し、何らかの儀礼行為が行われたと想定される。
また、近世の道路跡と屋敷の区画溝が検出された。なかでも第2号溝跡からは豊富な陶磁器類とともに鉄鍋と鉄瓶が出土した。この溝跡は天明3年(1783)に噴火した浅間山由来の火山灰を含む砂によって埋没しており、利根川の洪水被害によって廃絶を余儀なくされたものである。その一方で、この洪水砂へ対処するため天地返しが行われた災害復旧痕が確認された。