EXCAVATION RESULTS発掘成果

【462集】長竹遺跡Ⅴ

長竹遺跡Ⅴ

市町村加須市

主な時代奈良・平安・中近世

発行年度2020

長竹遺跡は、利根川沿いの埋没台地上に立地する縄文時代から近世にわたる複合遺跡である。今回は、長竹遺跡D区の縄文時代の環状盛土遺構埋没後に形成された、奈良・平安時代と中・近世の遺構・遺物について報告する。平安時代では、10世紀代を中心とした集落が検出された。下流側に接する長竹遺跡A区と、上流側に接する樋ノ口遺跡で検出された竪穴住居跡と合わせると、50軒を超す大集落となる。今まであまり明らかにすることができなかった県北東部における平安時代中期のムラの様相を考古学的に示すものとして注目される。また、天仁元年の浅間山の噴火で廃絶した畠の畝跡も検出された。中・近世では、井戸跡や溝跡、埋設桶を含む土壙や畝跡などの遺構が検出された。陶磁器や焙烙、かわらけなどの土器、砥石などの石製品、簪や煙管などの金属製品など、河川交通の要衝として栄えた当時の生活を彷彿とさせる遺物が出土した。

発掘成果一覧 >