EXCAVATION RESULTS発掘成果

【465集】向原A/芦苅場

向原A/芦苅場

市町村飯能市

主な時代縄文・中近世

発行年度2020

向原A遺跡と芦苅場遺跡は、南小畔川右岸の台地上で東西に並ぶ遺跡である。向原A遺跡は縄文時代中期の後葉である加曽利E式期の連弧文土器を主体にする時期の集落で、芦苅場遺跡の西側に寄った地区でも同時期の住居跡が検出されている。両遺跡を明確に区分するのは難しく、一体となって集落を構成していた可能性が高い。
また、芦苅場遺跡は外径約180m、中央部に径約100mの広場を有する縄文時代中期の環状集落で、中期中葉の勝坂式期から加曽利EⅢ式期にかけての住居跡80軒が、いくつかのブロックに分かれて検出された。勝坂式期の住居跡は、覆土からいわゆる吹上パターン状態に多量の土器、石器が出土しており、同時期の信州系の土器や東北系、東関東系の土器群も出土している。勝坂式期から加曽利EⅠ式期への移行期の住居跡が存在する点は注目される。
他に、焼礫を利用した蒸し焼き料理の屋外調理施設と考えられている集石土壙も88基検出されており、土掘り具である打製石斧が多量に出土していることとの関連も注目される。

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