EXCAVATION RESULTS発掘成果
【477集】北大竹遺跡

市町村行田市
主な時代古墳・古代
発行年度2022
北大竹遺跡は、埼玉県行田市藤原町・若小玉に所在する。現在はほぼ平坦な地形で加須低地に属するが、北に流れる利根川による河川堆積と関東造盆地運動によって形成された埋没台地となっている。
本事業に伴う発掘調査によって、古墳時代後期から飛鳥時代にかけての祭祀関連とみられる遺物が集中した地点が、3箇所確認された。遅くとも6世紀中頃から祭祀行為が開始された可能性があるが、6世紀後半にピークを迎える。主に甕を中心とした須恵器と、大量の土師器や鉄製品とともに、多数の子持勾玉を用いる点が大きな特徴といえる。なお、これらとともに単鳳環頭大刀が出土している点も特徴として挙げられる。
7世紀代にも継続して祭祀行為が執り行われている。遺物量がやや減少する点や土器類の器種組成に変化がみられるが、子持勾玉と須恵器甕を用いる点は、一貫している。このことから、本遺跡で執り行われた祭祀は子持勾玉と須恵器甕が重視されていたことがうかがえる。
周辺に展開する若小玉古墳群において前方後円墳が造営される時期と重なり、7世紀代に八幡山古墳や地蔵塚古墳が造営される頃まで、継続することから、若小玉古墳群との関連性が想定される。埼玉古墳群の将軍山古墳や鉄砲山古墳に副葬された遺物と類似した遺物が出土していることから、埼玉古墳群との関連性も想定される。
また、これらの遺物と同じ古墳時代後期から平安時代にかけての集落跡が検出された。